それは分かりにくいこの場所を、わざわざ探して来て下さる方々に、“ここに来て良かったな”と感じて頂けるように料理を作るということです。
僕は料理学校も出ていませんし、何か特別な技術を持っているわけでもありません。
ただその代わりに、常に強い“想い”を持つように心がけています。
“食材に対して誠実に向き合うこと”
“自分が食べておいしいと感じるものを作ること”
この2つは特に忘れないようにしています。
見た目の華やかさでごまかすのではなく、不必要なものを削ぎ落としていって、本当に必要なものが凝縮されたひと皿、究極に言えば単に、野菜、魚、肉を焼いてソースを添えただけで、感動できるような料理を作ることが目標です。
料理には色々な種類があって、それぞれに歴史や文化、使う道具や技法も異なります。
また同じ料理であっても、その土地によって、採れる食材が変われば、作り手の感性や召し上がる方の好みも違う、その人その人によって感じ方は様々です。
色々あって良いと思うし、どれが正解ということもありません。
ただ僕は、何時間も仕込みに時間をかけて、手間暇を惜しまずに作り上げていくフランス料理が大好きなので、それをベースに自分が考える料理というものを表現していけたらと思っています。
不器用で、言葉で想いを伝えることはうまく出来ませんが、今出来ることを精一杯に。
料理を通して何かが伝われば…という気持ちです。